イスラム教徒を敵視するキリスト教至上主義の米軍大学授業
5月18日朝日新聞朝刊1面に『イスラム市民に無差別攻撃 肯定 米軍大学、原爆を例に授業』の記事。
記事の要旨は、以下の通り。
@米統合軍参謀大学(米バージニア州ノーフォーク)に設けられた講座「イスラム教とイスラム過激派に関する考察」の一部に問題があった。
A問題の講座は大佐や中佐、大尉ら中堅幹部600人以上が受講した。
B2010年から陸軍中佐が行っていた授業の内容の問題点は、以下のとおり。
○イスラム教徒14億人のうち少なくとも1割が過激派で穏健派も暴力を支持と指摘。
○米国がイスラム教徒と共通の基盤を探る戦略は「非合理的」で全面的な戦争が求められる。
○イスラム過激派が市民をテロの対象にしているので、イスラム教徒との戦争では、市民を戦闘対象から外すことを定めたジュネーブ条約を順守する必要はない。
○歴史的な前例(広島、長崎の原爆及び東京、ドイツ ドレスデンの大空襲)は、イスラム聖地のメッカやメディナにも適用できる。
C米国防総省は、この春一人の受講者の告発で授業の内容を把握した。
D米軍は、昨年も、核兵器の発射を担う空軍将校向けの訓練の一環で、キリスト教の聖戦論を教えていた。
11面には、
E問題の講義を受講した士官の数は不明だが、受講生の一人がこの春に告発するまで、だれも表だって疑問視しなかったことは、問題が根深い。
F今回の授業について、統合軍参謀大学の首脳らが容認していた可能性がある。
G厳しい態度で臨まなければ、米軍内に根強く残る反イスラム的な思想を一掃することは難しい。
アメリカが、世界で出鱈目なことばかりしてきたことは、嫌というほど書いた。アメリカはイラクに大量破壊兵器があるとデマを言って一方的に攻め入った。アメリカはア
フガニスタンでもイラクでも十分に一般市民を無差別に殺しまくった。アフガニスタンでは結婚式に参加しようと峠を移動していた女子供約50人を殺した。既にアメ
リカは一般市民を数千人は確実に殺しているだろう。
いつまでもこんな理不尽なことが許される筈はない。
米軍がイスラム教徒を市民も含めて無差別に殺していいというのなら、イスラム教徒もアメリカ人を無差別に殺す権利があるということになる。アメリカがイスラム聖地に原爆
を落として良いというのなら、イスラム教徒はワシントンやニューヨークに原爆を落として良いということになる。
中尉や大尉という米軍の中堅幹部600人が受講して、告発したのがたった一人。一部の教官だけが狂っているのではなく、米軍全体が、白人全体が狂っている
のである。このようになる根本は、キリスト教の独善性にある。
(2012年5月26日 記)